ヒトリコ

よく家族でできた子供が一人の場合は「一人っ子」と呼ばれるのだが、本書のタイトルの意味はそうでなく、子供の頃から仲間や友人などが全くおらず、「孤立」してしまったことを表している。とある濡れ衣を着せられ、壮絶ないじめに遭ったことから孤立するようになり、孤独に生きることを決心したのである。

その孤独に生きる中でも「支え」があった。ピアノとピアノ教師である。これは先日取り上げた小説と似ているのではないかと考えてしまったものの、ピアノ教師は男性ではなく、老婆である。かつプロを目指すのではなく、合唱のためのピアノを弾くと言うところにあった。

孤独で有ながらも心の支えをもって生きてきたのだが、高校の時にいじめの原因となった少女も転入することとなった。しかしながら「ヒトリコ」として孤独に生きることを心に決めた少女はもう後ろめたいことがなかった。ある種いじめからの陰湿さからスカッとくるような一冊であった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました