文芸・評論

書評

テノヒラ幕府株式会社

何とも奇妙な会社名であるのだが、中身もまた「奇妙」である。その会社は簡単に言うとスマホゲームの開発会社であるのだが、会社で働く人びとは文字通りの「十人十色」といった印象が非常に強くあると言っても過言ではない。会社の、そして文字通りの「テノヒ...
書評

愛すること、理解すること、愛されること

男女関係は思っている以上に複雑なものである。その複雑であるからでこそ、一つの物語として醸成されることが大いにある。その物語はいじらしいようなものもあれば、本書のように愛憎(むしろ憎悪の方がウエイトが大きい)を織りなすような物語もある。 本書...
ミステリー

ポンコツ探偵の名推理

ある捜査の関係で刑事をクビになり、なおかつ貧乏で妻子も、この先のあてもないといった「ないない尽し」の探偵が、刑事時代に逮捕した元スリとともに事件を解決していくと言うものである。 そのことを考えていくと確かにポンコツであるのだが、「迷探偵」や...
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ミステリー

優しい水

本書のタイトルを見るからに、ミネラルウォーターを連想してしまうのだが、本書はそうではなく、川で見つけた魚を飼育するために拾った先に遭遇した事件について取り上げたミステリーである。 ミステリーのトリガーが魚から「水」になっていったところも特徴...
書評

オバさんになっても抱きしめたい

本書の表紙の右の女性がなんともバブリーな女性であると同時に、一昨年に大阪府立登美丘高等学校ダンス部が「ダンシング・ヒーロー」の題材として使われたことコスチュームでもある。 バブリーな時代で20代を謳歌した女性が俗に「アラフォー」と呼ばれるよ...
書評

恋するハンバーグ 佃 はじめ食堂

料理から生まれる物語もある。食堂から生まれる人間模様もある。帝国ホテルの副料理長を辞めて、洋食屋をオープンさせた主人公とその家族の物語であるのだが、その物語とハンバーグをはじめとした料理には愛情が溢れているように思えてならなかった。 いわゆ...
ミステリー

BLOOD ARM

集落における殺人事件はよくミステリー作品では出てくる。もっとも限界集落と呼ばれる中では差別と言ったこと、さらには四方を山に囲まれた街では逃げ場がない、あたかも密室のような殺人事件が起こるような作品さえある。 しかし本書はミステリー作品とは異...
ミステリー

11月のジュリエット

少女たちが修学旅行のために飛行機に乗ったが、その飛行機で謎のガス殺人事件が起こり、さらにハイジャックの事件に見舞われる。しかもそのハイジャックで降り立った地はアラスカ。しかも極寒の季節である時期であり、まさに「サバイバル」の要素を見せること...
書評

岸和田少年愚連隊 不死鳥篇 カオルちゃーん!!

大阪府岸和田市と言えば「岸和田だんじり祭」に代表されるところとしても知られており、子どもにあったやんちゃさがそのまま大人になった男たちが多くいるという。もっともそれを象徴づける作品として本書のシリーズである「岸和田少年愚連隊」がある。 ちな...
書評

ザ・ブラックカンパニー

本書のタイトルからして「まんま」と思ってしまうのだが、実際に読んでみたら、まさに「まんま」であった。 タイトル自体は「ブラック企業」の企業を単に英語化しただけのことであるのだが、そもそもブラック企業にて働く人びとのことを描いているのだが、そ...
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