著者の岡田様より献本御礼。
ビジネスの現場によっては英語を使わなければならない機会がある。私自身はと言うとそういった機会に出会うことは今のところなかったのだが、もしかしたら将来英語を頻繁に使う立場や状況になるのかもしれない。そのことを見越して読んでいこうと思う。
「ビジネス英語」と言うとビジネスに特化したもので、普段ある日常会話とはことなる会話法を身につけないと行けないと尻込みをしてしまう。しかしながら著者は苦手な方々も楽に話せるようにどのようなフレーズやポイントがあるという。本書はそれを550個にしてまとめている。
第1章「日本人が思い込んでいる英語に対する5つの誤解」
英語は流暢に話すことができればそれ以上のことはないのだが、たいがいは難しい。かくいう私も英語を話すことはあるのだが、だいたいは道案内であり、かつ流麗な口調ではなく、単語を並べるだけのものである。世界的に見ても英語はよく通じるのだが、それはあくまで世界人口の5人に1人であり、なおかつ英語を公用語とするアメリカでも英語が苦手な人がいるという。
また英語にしても文法も含めて完璧に操れたとしても伝わらなければ意味がない。伝わると言うことで名前を忘れてしまったのだが、テレビで英語にてリンゴを伝える際に流ちょうで論理的に話す人と、単語を並べて話す人とで英語圏の方々に対して通じるかといった実験があった。その結果単語を並べて話した人が伝わりやすいというものであった。流暢に話しても回りくどくなってしまうといくら英語であっても伝わらない。ようは「伝わるかどうか」である。
第2章「非ネイティブエリートが心がけている「伝わる英語」の極意」
もっとも英語は伝えるための「ツール」の一つであることを理解しておく必要がある。そのうえで「伝える」ための英語はどうあるべきかを考える必要がある。話し方にしても気遣いや敬意、協調性やトライアンドエラーなど持つべき心構えは存在する。
第3章「どんなに口ベタでもネイティブと堂々と話せる――自然と会話がつながる49のキーフレーズ」
本章と次章で会話のフレーズを伝授しているのだが、TPOに分けて細かく取り上げられている出社してからのこと、交流、挨拶、アポイント、自己アピールなどがある。それぞれビジネスの中でも当たり前にある会話方法のように見えるのだが、どの時期に伝えるか、どのようなタイミングで訊くかなど、フレーズだけでなく、フレーズを話すタイミングなども織り込まれている。さらに言うと、時間があるか聞くところで、
「Do you have a minute?(少しお時間はありますか?)」(p.46より)
とあるが、他にも派生して、
「Do you have a moment?(ちょっといいですか?)」
「Are you free right now?(ちょっと空いていますか?)」(いずれもp.47より)
とフレーズを1つだけ紹介するだけでなく、他にも使える表現をいくつか取り上げ、フレーズの幅を持たせている。
第4章「相手を不快にさせずに言いたいことがきちんと伝わる――泣き寝入りをしなくて済む40のキーフレーズ」
会話の中には様々なやりとりが必要になるが、時には言いにくいことを伝える、もしくは相手に不利益を与えてしまう様なことを伝えなくてはならない時がある。そういった中でさりげないフレーズを入れる、あるいは変えることによって相手に伝わるだけでなく「不快にさせない」ことにもなる。
英語のコミュニケーションでも、日本語のコミュニケーションでも「伝える」ことが大切であり、常に相手とのやりとりの中でWin-Winに展開していくことが必要になってくる。時にはネガティブな内容になるにしても伝え方一つで相手もポジティブになる方法がある。ビジネスの場において、英語のやりとりを行っている方、あるいはこれから英語でやりとりを行うのであれば本書でもって何を気をつけたら良いかを知ることができる格好の一冊である。
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