コーヒーカップの耳 阪神沿線 喫茶店「輪」人情話

私自身喫茶店に行くことが良くあるのだが、たいがいは勉強などを行うためのことが多い。静かな雰囲気でありつつ、ちょっとした喧噪が集中力を生み出してくれる。もちろん色々な人との語らいを耳にする事がある。たいがいはネガティブな話なのだが、中には奇想天外な話もあり、小耳にはさみながら勉強しているため、そういった話が耳に残ってしまうこともしばしばある。

それらも全て喫茶店の楽しさの一つである。「一つ」と表現したのは喫茶店自体には様々な「愉しみ」があることを忘れてはならない。カウンター席で店員や常連客との語らいといったものも一つとしてある。

本書は兵庫県西宮市に実在する喫茶店「輪」のエピソードを盛り込んだ作品である。普通の人のように見えて一風変わったエピソードを持っており、喫茶店の中ではその話で盛り上がっている。しかしながら常連の中には既に逝去された方々も多くおり、許可を取るのが大変だったそうである。ただ人々の喫茶店で語られたエピソードを見ると、街や喫茶店、さらには人それぞれの「歴史」と「深み」があり、コーヒーを片手に愉しむことができる空間だと言うことが嫌でもわかる。

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